*フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」作品80(2009年9月21日 第22回定期演奏会プログラム 創立20周年記念コンサート2より) |
オープニングのウォルトンを、レッドカーペットの上で飲むシャンパンに例えるならば、この曲は和室でいただく抹茶といった趣きである。冒頭の弦楽合奏を聴くだけでも雰囲気がお分かりになると思う。「ペレアスとメリザンド」は、ベルギーの劇作家モーリス・メーテルリンク(1862−1949)が書いた戯曲であり、王子ゴローと異父兄弟ペレアス、そしてゴローの妃メリザンドの三角関係を描いた悲恋の物語である。フォーレ(1845−1924)のほかに、ドビュッシー、シベリウス、シェーンベルクといった名だたる作曲家がこの戯曲をもとに音楽を書いている。 「前奏曲」は、劇付随音楽の一番初めに演奏される。弦楽によってメリザンドを表す主題が静謐な表情で歌われる。後半にゴローを暗示する角笛の響きがホルンによって奏される。漂う雲が、次第に形を変えていくような美しい曲。 「日本にはたゆたうという美しい言葉があります」。吉川先生が合奏中におっしゃったこの言葉が何よりも曲の雰囲気を物語っていると思う。 たゆたう [ 揺蕩う ](1)物がゆらゆら動いて定まらない。ただよう。(2)心が動揺する。ためらう。 (クラリネット 吉岡 克英) 編成:Fl.2, Ob.2, Cl.2, Fg.2, Hr.4, Tp.2, Timp.1, Hp.2, Strings |
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