*ベートーヴェン 歌劇 「フィデリオ」 序曲 (2023年9月17日 第47回定期演奏会プログラムより)

 歌劇「フィデリオ」序曲は、ベートーヴェンの唯一の歌劇「フィデリオ」の序曲です。この歌劇は、フランスの台本作家ブイイーの「レオノーレ、または夫婦愛」を原作として作曲されました。あらすじは、レオノーレという女性が、政敵の刑務所長に無実の罪で囚人としてとらわれている夫を助けるために、男装して「フィデリオ」という偽名を名乗り、夫のいる監獄に潜入して働きます。フィデリオすなわちレオノーレは、夫を殺そうとした刑務所長に立ち向かいますが、最終的に監獄にやってきた友人の大臣によって夫は解放され、レオノーレの勇敢な行為と夫婦愛が称えられるというものです。
 この歌劇は、1805年初演、1806年改作の上演、1814年再度の改作での上演と何度も書き直されました。序曲についても、「レオノーレ」序曲第1番、第2番、第3番と本日演奏する「フィデリオ」序曲の四つの序曲が残っています。曲の題名が「レオノーレ」と「フィデリオ」の両方が曲によって使い分けられているのは、作品名について、ベートーヴェン自身は「レオノーレ」を希望したものの、興行の都合で「フィデリオ」が使われることが多かった事情からと推察されます。本日演奏する「フィデリオ」序曲は、1814年の改作の際に作曲されたもので、これから始まる歌劇への期待を掻き立てるワクワク感がある曲です。演奏会の始まりとして、皆様に楽しんでいただけたら幸いです。

(ファゴット 吉田 峰子)

編成:フルート 2、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、ホルン 4、トランペット 2、ティンパニ、弦楽5部。

 

 


 

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